忍者ブログ

奥の間(仮)

脳内で燻る剣薫について妄想したり吐き出したりしてるところです。主に原作準拠です。よくマイハートに忠実に叫んだりしています。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


後悔

奇しくも、人誅事件は、剣心が薫をちゃんとゲットする原因または重要なファクターになった。
あれがなかったら、
もしかしたら随分ながく淡い関係のまま、ぬるま湯みたいな生活を続けていたんじゃないかと、思う。
剣心が、妻帯していた過去をずっと黙っていたまま、明かさないまま薫とくっつこうとするとは到底思わない。薫との距離が近くなるにつれ、言わなければいけない話であった事はわかっているはず。けど、言いたくなさすぎる過去であることは間違いない。

それから人誅事件は、そういった過去の打ち明け話の意味だけではなく、薫を一度失う大後悔を剣心に与えたのが大きくて、結婚にまで至ったのはやっぱりこのおかげだと思う。

後悔のお話を描いていたけどやめたので文字にするけど、彼が薫を失ってした後悔というのは、『守れなかった』『また自分の罪と罰に巻き込んでしまった』ということだけではなかった筈と。
勿論剣心の信念的には彼女の命を守ってやれなかった事がまず一番で、それが目の前にいる人(しかもこの場合一番大切な人)を守るというる流浪人人生と剣と信念まるごと否定されるくらいの衝撃となったために廃人になったのだろうけど。
だけどやっぱり一人間として、男として、単純に、薫を想っていたけれど失ったこと、まっすぐ向けられていた想いについに応えてやれなかったこと、もっと言えば彼女を手に入れたかった触れたかった奥底の本心から来る後悔なんかもあったんじゃないかなぁと思っていて。

彼は自信がなかった。
流浪人の信念がそのまま人生の答だと確信できる前は、とりあえず目の前の大事な彼女や場所や友を守ろうと思っていた。それ自体は間違ってはいなかったはずなんだけど、自分という個の人間の生存理由というか、例えばその大事な彼女や場所や友が居なかったとしても、剣を握って生き抜けるほどの固い信念がこのとき見えていなかった。
だからやっぱり赦せなかった。
自分の中で自分がただの罪人のままだったから。
夕日の土手で薫にちゃんと返してはやれなかった。
本当は愛してあげれば薫は喜ぶって剣心はわかってた。

だけど想い人を喪った後悔なんてのはそんな懊悩とは比べ物になら無いくらいのもので、それこそ何もかもかなぐり捨てて手に入れていれば良かったのかとか思ったっておかしくない。剣心も男だと考えるならば。

PR

comment(3)