原作の追憶編 Category:未選択 Date:2015年09月04日 原作の追憶編をちょうど読んでいたのでその話。 何回も何回もよんでますが、今読み直して思った。 本当に剣心は巴にぞっこんだね。 わかっちゃあいるけどじっくり読んでみたらより思ったよ。 時間にしてしまうと凄く短い間なのに、剣心と巴の結び付きというか、絆が、深い。 深いし、剣心の若さ・幼さが、剥き出しの本当の剣心を見せていてそれがより巴に対する愛をわかりやすく見せていて、 何か知らないけど今回初めて、ちょっと辛くなってしまった。 結果的に剣心が巴を失ってしまうこと、 それから、言いたくないが、やっぱり剣心がここまで劇的に情熱的に愛したのは生涯巴だけなのかも知れないと感じてしまった。 剣心て、作中本編でわかりやすく薫に対して惚れてるって表現はしないじゃん。 大事なひと、特別なひと、というのはよくわかるよ。実際剣心が言葉にしているしね。 重ねた時間のなかで少しずつ、大切になっていったって感じがする。うん、まさにそう。 対して巴には、明らかに一目惚れしてるわ。 出会った瞬間に全身に稲妻走ってると思う。 勿論だから薫を愛してないってことではない! けど、何て言ったらいいか、、、 質が違う、と感じてしまったんだよ。 そう、私は剣薫好きなのに、そう思ってしまって、ちょっと悲しくなった。 私は、その違いは、和月先生自身の描き方の違いにもあると思ってるんだけど。 まず、単行本にも書いてあるように、初期、薫を剣心の恋人にするかどうかは、先生自身の中で未定だったのよね。 対して巴は、当然はじめから『妻設定』だった。 また、まだ剣心が妻帯していたなんて全く明かされていない初期の頃にも、和月先生の中にはこの設定はあったわけだから、あからさまに薫に好意を持たせる描き方もおかしいから出来なかったわけだ。 剣心は、自分を『人間』に戻してくれた妻と離別して10数年も経っているとはいえ、偶々出会ったいいことを言ってくれる可愛い女の子をすぐに好きになるなんてことは無理だ。 剣心は頭固くて頑固で自分を戒める気持ちが人一倍強すぎる。 例えば薫との出会いや道場に住み始めたころ、確かに各所で薫に心揺さぶられてる。それは間違いない。 でも初期の剣心はまだそれを薫に対する愛とは絶対に認めないと思う。この時点では、剣心は自分にはそーゆー事の資格は無いと無意識に近く思い込んでいるし、なんとなく、気づいちゃっても知らないふりして蓋をする、と思うんだ。それが7巻くらいまでの、正体不明な上っ面の剣心。そして蓋をしたまま、でも明らかに何か薫に対する執着はある、でもこんな自分がはっきり認めてはならないものだ、けどやっぱり黙って別れるのは忍びない、それが5月14日の別れ、だと思います。 剣心は、別れを告げよう、とは思っていても、よーし最後に抱き締めようなんて考えてはいなかったはずです。 いざ薫を目の前にして別れを告げ、あなたがこんなことを言ってくれてとても嬉しかった、でも自分にはやっぱりダメだったんだ、そんなことを言ってるうちに、彼は感極まったのです、一度でいいから抱き締めたかったのです。自分が。ちょっと抱きたいから抱いちゃおうってキャラクターでは勿論無いし、逆に触れることで薫に残していく爪痕も分かっていたはずで。 まぁずるいですけどね。爪痕に関しては。 その後、好き好きと言わんばかりに薫が自分を追ってきてくれた。また、師匠からの『お前自信にも生きる権利、幸せになる資格があるぞ』的な教え、このあたりから、じわじわ認めていったのではないでしょうかね。 それからもうひとつ、作中で剣心が薫にあからさまな愛情表現出来ない理由。 剣心の『答』、これからも死ぬまで貫かなければならない生き方が、うら若き罪の無いフレッシュな女の子に半分背負ってもらうには重すぎます。あまりに重すぎて、いくらお互い好きあってると既に分かっていても、図々しくて剣心から薫をしばることは難しいです。これは剣心が誠実な故、薫を思っている故に。 剣心から見れば薫は新時代を生きる、何の後ろ暗いこともない、将来フツーに幸せになれる女の子で、自分とは真逆のような真っ白なんですよね。 『告白』の回、真っ直ぐで勇気凛々の薫ちゃんに対し、剣心の反応にいまいち納得のいかないって気持ちを持ったこともあります。だけどよく考えりゃこの時点では、剣心はこの返しが、もうホントに精一杯ですね。男女の約束だとか、チューするとか、絶対無理です。そういう段階まで来ていないんですね。想いの問題ではなく、剣心が自分を赦しはじめる段階にないんですね。薫を大切に思うから、無理なんです。ただ、この時もこのあとも剣心の胸に絶対的に燃え盛るのは、『薫は絶対に守る、何がなんでも俺が守る、絶対に傷付けない』ということだけです。 生涯共にとか、祝言だとか、セクロスとか、本当に決定的なことは剣心から決めて欲しいですが、それにはまず薫ちゃん自身が、『剣心を生涯支える!重くてもいいの!もう絶対決めたの!』とゆー覚悟をしたのち、剣心がそれを理解しないと、剣心からいくのは難しかったんですね。 逆に言えば、人誅編後は、きっと剣心も腹積もりを決めることが出来たでしょうし、それで結婚に漕ぎ着けたのですね。 だからやっぱり、作中の剣薫はあの感じで正しいんだなーって。出来れば和月先生の漫画で、吹っ切れた剣薫的その後を、見たかったですけどね!! まぁもうそれは無いでしょうね。 ひとつ言えることは、つまり、あからさまな描写はないけど、剣心は間違いなく作中でも薫を愛しているってことです!! あーーなんか一気に言葉にしたらすごくスッキリした!! あ、なんか全然追憶編の話から逸れてしまったけど! PR comment(0)